「腸管造血論」の立証

全くもって、惚れ惚れするような名文です。宮下周平氏の『続々倭詩』が書き溜められているところの『まほろばだより』がそれ!!

平成31年、年初に届いた『その七』を2回に分けて抜粋して紹介致します。入手して読んで欲しいと切に思います。

生命にとって『食』ほど大切なものはありません。

『食が血となり血が肉(細胞)となる』。まさに『食物なきところ生命現象なし』です。

―――以上 阿部一理(記)

遂に「腸管造血論」が立証された!!!

 昨年12月初頭、突如としてあるニュースが世界を駆け巡った。

 それは、米コロンビア大學のメーガン・サイクス教授らの研究チームが「移植された腸に、ドナーの造血幹細胞が存在する」ことを突き止め、20181129日に発表したのだ。

 「赤血球や白血球、血小板といった血球は、骨髄にある造血幹細胞からのみつくり出されている」という今日までの定説を覆す結果となった。

 それは、それまでの医学界が封印していたパンドラの箱を開くに等しいことであった。だが、国内では、未だ医学界は沈黙を守り続けている・・・。

忍従屈辱の半世紀

 60年前「血は腸で、白血球は赤血球から造られる」とする『腸管造血理論』が、センセーショナルな新説として学会に発表され、当時の日本を大震撼させた。森下自然醫學会会長・森下敬一博士、30歳の時である。

 その後、数回にわたり森下新説が読売新聞紙上に登場するが以降、『腸管造血説』は隠蔽され、マスコミは、忽然として手の平を返したかのように禁忌(タブー)視し、無視し、抹殺して現在に至っている。

 これは、血は骨髄が造るものとした従来の「骨髄造血論」の医学常識を打ち破るものだった。これを学界が認めれば、医学界の権威は揺らぎ、既成の生理学、生物学、医学・薬学の教科書は、根底から書き換えられなければならず、毎年数十兆円という利権が失われるからであった。

 風雪58年、千島喜久男博士は逝き、以降、独り森下敬一醫學博士は、アカデミックな医学界の巨塔から爪弾きされ、異端視され、まさに冷や飯を食わされるという、この上なき屈辱を受け続けられた。

 忍従の日々に堪え、己が信念を貫きながら、『腸管造血』から『経絡造血』、そしてプラーナによる『チューブリン微小管』の想定に至るなど、地道な臨床と研究を続けられた。その結果、漸く今日、日の目を見ようとされている。

食が血肉になる「醫食同源」は「腸管造血論」

 これは、「食が血となり、血が肉となる」という生命の基本、「You are what you eat(あなたはあなたの食べる所のものである)」という生命の本来を訴える自然食運動を続ける私たちにとって、重大なる事件であり、重要な理論なのだ。

 食が一切の基であると訴え続けられた森下博士の信念が、今日の自然食運動の牽引的役割を果たしたことは想像する以上に大きくして大きい。

 東洋医学の「医食同源」も、民間に広く伝承され普及している食事療法も「腸管造血論」に依拠しないものはない。

 森下博士は、自然医学界と食養界に金字塔を打ち立てられた先達として、家内の宮下洋子は10代の頃から尊敬し、今も変わらない。彼女が主宰するインテグレートマクロビオテック理論は、「腸管造血論」なくしては成り立たない。

 まほろばが、サプリメント主体ではなく、食品を主体とした、スーパーマーケットのようなスタイルで自然食品店を経営するようになったのも、日常的な食の重要性を深く意識しているからである。水や基本的な調味料にこだわり、オリジナル商品を次々に作り続けてきたのも然り、行きつくところ、店主が自然農園まで手掛けるのも「腸管造血論」即ち「食こそ命」の究極の実践だったのだ。

 千島・森下学説は発表当時から甲論乙駁・賛否両論あったが、この理論なくして、事実食事だけで病気が治ることをどう説明できよう。無論、水や空気、太陽など自然環境や、より良い生活習慣や社会的関係、人間関係を持つこと、ご先祖さま、神仏に感謝することは極めて大切であり、それ故、その恵みである食の重要性は、何にも増して疎かにすることは出来ないのだ。

 食は、それらの物質的、生理的基礎として、生命現象の第一義的な役割を果たしており、すべてが原因となり、結果となって相互に影響し合っている。

 万病の原因は、菌やウィルスではなく、『食』にあり。食べたものが腸管を経て血液になり、細胞になり、組織になり、人間になる。病気の細胞も、健康な細胞もすべて食べ物から造られる。健康な細胞もすべて食べ物から造られる。また細胞や組織が逆分化して、血液に戻る事もあり、双方向に変化する。だから、食べたものがガンになり、ガンも食べ物で治る。『腸管造血論』とは、その一連のことの科学的証明なのである。

 以上のことを、研究者として科学的に証明されたのが、森下敬一博士で、自著『血球の起源』等に詳しく、これらの研究は、千島・森下学説(相前後して同じ学説を発表されたので)と呼ばれている。

阿部一理(記)

60年前の読売新聞記事(昭和33328日読売、朝刊)(A5ほど)が、添付されております。見出しは『血は腸で造られるー白血球は赤血球から発芽』世界の注目をあびる。生理学の新説。

東京歯科大学 森下助教授の研究とあります。

ところが実体は、宮下氏の書いた通りなのです。今回の米国のコロンビア大学の発表も、日本国内の生理学者は無視し続けるか否か。注視したいと思います。

そして次回は、衝撃の日本における『旧厚生省による自然食運動殲滅(せんめつ)の画策』を送ります。

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