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健康

まちがいだらけの日本の認知症治療 その1

まちがいだらけの日本の認知症治療
『告白します。僕は多くの認知症患者を殺しました』石黒伸著 現代書林

船瀬俊介氏の認知症薬「アリセプト」の服用を止めたら、歩けるようになった。この事実を現役の医師が克明に書かれている衝撃的な書籍です。石黒医師の『とにかくこの患者さんにとって、このご家族にとって良いことをやっていこう』という姿勢をいつも持っていなければなりません。医師をはじめとしたチーム全員が『to be good』であろうとしていなければ、在宅診療は不可能なのです。』医師目線ではなく、患者さんとその周りの環境(家族等)の目線にした治療を挙行しています。

冒頭に大学病院や大きな病院には、認知症患者さんを専門とする認知症外来があります。その専門外来のなかには、今この瞬間も患者さん「殺し」に加担している医師が少なからず存在するのです。しかも、自分が認知症患者さんを「殺している」自覚がありません。自分のおこなっている認知症治療(標準的薬物治療)が正しいと信じ込み、認知症患者さんに『死』の処方箋しているのです。

認知症患者さんも、このご家族も、目の前の医師がおこなっている治療は「改善」への幸福切符と思っておられると思いますが、実は「再起不能への直行切符」「死への片道切符」なのです。※桜沢如一氏の「医者に病気を治してもらうのは、泥棒に留守番を頼むようなものと同じだ!!!」その内容を少しご紹介した後、石黒医師の想いを添えたいと思います。

自宅を訪れると、Aさん(90歳)はベッドで目をつむり寝ていました。僕の診断はわずか3秒でした。そのお顔や、やせ細りまったく「気」が感じられないそのカラダは長期間アリセプトを飲まされ続けたレビー小体型認知症の患者さんにほかなりません。少ない量でもクスリが効きすぎてしまう薬物過敏を特徴とするレビー患者にアリセプトを飲ませることは、まさに「殺し」の処方です。

アリセプトを飲みはじめて、カラダの動きが悪くなり(パーキンソニズムの悪化)、飲み込みが悪くなり(嚥下障害:えんげしょうがい)、食が細くなり(摂食障害)、どんどん痩せてガリガリ(栄養失調)になっていく患者さんは、当院では決して珍しくありません。

ここで勘違いしないでほしいのですが、アリセプトという薬それ自体に罪があるのではないということです。医師の裁量のもと「規定にとらわれずに」処方されると驚くほど元気になる患者さんがい大勢おれらます。そうではなく「規定どおり」飲まされ続けると、このような状態に陥りやすくなるということです。とくにレビー患者は薬物過敏という特徴があり、規定どおりの用量では「治療薬」ではなく「毒薬」になってしますわけです。

P20

医者は、大学を卒業したあと、さまざまな病院で臨床研修を積んで、ようやく一人前になっていきます。そうした医療機関の就職先は、大学の医局が世話をしてくれるものです。大病院の人脈、大学閥というものは、そんなふうに出来ているわけです。阪大の医学部を辞めた僕は、そこを紹介してくれた愛媛大学医学部泌尿器科の教授の顔にも泥を塗ってしまいました。僕はとたんに無職になり、今後進んでいくべき道も消えてなくなりました。

いくら現代医学の限界を感じたとはいっても、このような無謀な選択をする医師はいないと思います。しかし僕は、もちろん「医師として人々の役に立つ」と言う夢を捨てたわけではありません。現代医学とは少し違う道から、医療を眺めてみようと思っていました。その大きなきっかけの一つとなったのが、アンドルー・ワイル博士のたくさんの著作でした。

世界には、科学的には証明されていないものの、経験的に「効果がある」と理解されて人々に実践されている「民間療法」がたくさんあります。それは自然療法であり、患者さんのカラダを全体的にとらわえる全人的統合医療であり、またそこでは僕が関心を覚えていた予防医学にも大きな比重が置かれています。

P68

高齢者施設には、認知症の高齢者がたくさんいました。認知症のことは全く知らなかったので、どのような治療を行えばよいのかまったく分かりません。とにかく勉強しようと思って、認知症関連の本を20冊くらい買って読み漁りました。そしてアリセプトという薬があることを知った僕は、発売元の担当者に電話をし、すぐにアリセプトの勉強会を開催してもらいました。焼き付け刃の知識をもとに、訪問する施設にいたアルツハイマー型だろうと思った認知症患者さん全員にアリセプトを処方しました。アリセプトを処方した患者さんは、100名近くにものぼりました。

(中略)

ところが、アリセプトが投与しても患者さんは落ち着いてくれません。2週間に一度の訪問診療で診たかぎりでは、アリセプトが何かに効いたと言う印象はあまりありませんでした。暴れだした患者さんに対しては、結局はリスパダールやセロクエルといった精神科の薬を処方せざるをえませんでした。精神科の薬を服用した患者さんは、みんな大人しくなります。寝てしまうからです。

また、アリセプトを処方した1年くらい経過すると、患者さんたちに気になることが起こり始めました。やたら怒る人が増えてきたのです。それから、転んで頭を打った患者さんも何名も出てきました。パーキンソン病のように歩き方がぎこちな症状が現れてたのです。

(中略)

僕は、この治療はちょっとおかしいな、これを続けていたらまずいやろう、と思いはじめていました。友人の精神科医や神経内科にいろいろと聞いてみましたが、返事は「それは認知症が進行してるんやからしゃあないよ」「みんなそんな処方やで」というものでした。

P72

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