日本の都市を焼き尽くせ!

『日本の都市を焼き尽くせ!都市焼夷空襲はどう計画されたか』(工藤洋三著 2015年11月20日初版。自費出版。2800円(税別)山口県周南市須々万奥286-3) 私 阿部一理は、73回目の終戦記念日の未明から読んだ。かくも綿密に日本は焼き尽くされたのか!!激しい虚脱感と、人間の業の深さに打ちのめされて、ただただ辛く、悲しい。

先ず、あとがきを読んだ。そして8月14日~15日の熊谷・伊勢崎の空襲(176頁)を読んだ。終戦の日の8月15日午前1時39分に熊谷空襲が、2時15分に伊勢崎空襲が終わった。 ワシントンからマリアナのB29部隊に爆撃中止命令が発せられたのは8月15日の午前4時45分。平分なってグアムの司令部で読めるようになったのは、5時11分のことだった。 玉音放送のホンの数時間前の事である。私、阿部一理の記憶違いで、前回最終爆撃地を「秋田」と書いてしまった。改めてお詫びして訂正させて頂きます。

太平洋戦争において310万の死者の実態の中で、沖縄、東京大空襲、ヒロシマ、ナガサキほど、本土が焼き尽くされたことの詳細は知られてはいないのではないか。 表現はオカシイが、それはそれは丁寧に徹底的に焼き尽くされたのであった。私は、この本を読みながら、写真を見ながら、連合軍が無差別攻撃を執拗に繰り返す姿を思うに、これはもうゲーム感覚になっていたのではないか、とさえ思えてならなかった。そして恐ろしいことに、こんなまどろっこしいことではなく原爆を使えばどんなにラクに殺し尽せるかと、連合軍が考えたとしても不思議ではないとさえ、読んでいる途中に思えたくらいであった。

一歩間違えば、日本がアメリカの各都市に原爆を雨、アラレの如く落としていたかも知れないのである。原爆の開発競争は、実は日本が進んでいたのが運命のイタズラか、アメリカに先を越され、日本が標的になってしまったのである。 特攻隊を命じたような軍の上層部なら、原爆の雨をアメリカの都市に降らすぐらいのことは平気であっただろうから、『一歩間違えたら』と書いたのである。とにかく、敵、味方の別なく『命』を軽んじなくては、起こせないのが戦争なのである。 米軍や連合軍が憎いのではない。戦争が憎いのである。『人は、この世に何をしに、どこからやって来たのか、そしてどこへ帰るのか?』という大命題に答えを出さないといけない。

スタンフォード大学医学部のブルース・リプトン教授は近著『思考のパワー』(ダイヤモンド社)の83頁に人類は次の三つの質問にずっと答えようとしてきた、とある。

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