種子法について

食を正すことが健康づくりの原点、であることは言うまでもありません。基本食の理想は、次のようにとても簡単です。 

 

1)主食を無農薬の玄米で、芽が出るように生きているもの。 

2)炊き方は、良い水と塩で24時間~48時間浸水したものを水を取り替えて炊く。(発芽毒対策を施すための浸水です。) 

3)副食は、具だくさんの味噌汁(野菜と海藻) 

4)味噌をはじめ調味料には、こだわる。 

5)なるべく良く噛んで、腹八分目に。1日2食。 

 

以上。 

簡単ですよね!!! ほとんどの病気が3月くらいで治ります。 

 

ところが、良い食材が手に入りづらくなっています。 

農産物のタネの段階から危なくなっているからです。2011年9月5日発行『タネが危ない』(野口勲著、日本経済新聞出版社発行)に詳しい。 

「はじめに」から一部抜粋してみました。 

 

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 昔は、世界中の農民が、自家採種をしていた。 

 よその土地から入手したタネでも、よくできた野菜からタネを採れば、その野菜はその土地に適応して、その風土に合った子孫を残す。こうした植物の適応力を馴化(じゅんか)と言い、馴化と交雑によって、世界各地にさまざまな土地固有の野菜が生まれた。 

 自分でタネ採りをしてみるとよくわかるが、植物が異なった環境に適応し、生育して土地に合った子孫を残そうする力は、真に偉大としか言いようがない。 

 よくできた野菜を選択し、タネ採りを続ければ、普通三年も経ばその土地やその人の栽培方法に合った野菜に変化していく。たとえ土地に以前からあった野菜と交雑したりしても、それはそれで、八年も選択していると雑種形質が固定し、その土地の新しい地方野菜が誕生したりする。 

ーーー中略ーーー 

 日本のタネ屋の発祥は江戸時代で、栽培した野菜の中で一番良くできたものはタネ用に残し、二番目を家族で食べ、三番目以下を市場や八百屋さんに売ったことから、近隣の評判を呼び、タネを求める人が多く訪れ、専業のタネ屋が生まれたと言われている。 

 江戸に種苗が二軒誕生したのが元禄年間(1688~1704年)、フランスの農民がヴィルモラン種苗商会を創業したのが1742(寛保二)年というから、東西で同じ頃、良いタネを選抜して形質を固定して販売するタネ屋の歴史が始まったようだ。一般の農民は、こして形質が固定された野菜のタネ(固定種)を買い、何年も自家採種して、その土地に合った野菜にしていった。1960年頃までは、世界中で販売され生産される野菜のほとんどのタネは、この固定種だった。 

 固定種とは、味や形などの形質が固定され、品種として独立していると認められるタネのこと。農家が自家採種したけれど、交雑などで雑駁(ざばく)になり雑種化した、いわゆる在来種と区別するための種苗業界の用語で、いわばタネ屋の自慢のタネである。本書で以詳しく説明する一代雑種(F1:First filial generation)に比べ、単一系統の遺伝子しか持たないので、種苗業界では「単種」と言われていることもある。要するに、大昔から人類が作り続け、タネを繰り返し採りながら品種改良してきた野菜のタネのことだ。 

「なあだ。じゃ、普通の野菜のタネのことじゃないか」と、思われる方がいるかもしれない。しかし、現在スーパーなどで普通に売られている野菜のタネは、ほとんどがF1とか交配種と言われる一代限りの雑種(英語ではハイブリッド)のタネになってしまっていて、この雑種からタネを採っても親と同じ野菜はできず、姿形がメチャメチャな異品種ばかりになってしまう。 

 

ーーー中略ーーー 

 自家採種して土地に合った野菜を育てられるということは、有機無農薬栽培や無肥料栽培の畑にも向いているということでもあり、生命本来の無限の可能性を秘めたタネなのである。時代遅れと言われようと、多様性を持ちながら、品種としての純度を高めた意味合いを持つ「固定種」という言葉に、こだわりを持ち続けていきたい。 

「一粒万倍」という言葉に示されているように、一粒の菜っ葉のタネは、一年後に約一万倍に増え、二年後はその一万倍で一億粒。三年後には一兆粒。四年後はなんと一京粒だ。健康な一粒のタネは、こんな宇宙規模にも匹敵する生命力を秘めている。 

 F1種は、現在雄性不稔(ゆうせいふねん)という花粉のできない突然変異の個体から作られることが多くなっている。子孫を残せないミトコンドリア異常の植物だけが、たった一粒から一万、一億、一兆、一京と無限に殖やされて、世界中の人々が食べていることを、どれだけの人が知っているだろう。子孫を作れない植物ばかり食べ続けて、動物に異常は現れないのだろうか。タネ屋の三代目だから感じた素朴な疑問を、しばらく追求してみたい。 

 

以上 抜粋終わり。 

 

2017年4月14日、日本人の食に関わる重要な法律が衆議院と参議院合計わずか12時間の審議だけで、あっさり可決されたのです。 

この法律の名が『主要農産物種子法』です。 

 

是非『日本が売られる』(幻冬舎新書)の17ページ 

以下「3.タネが売られる」を読んでいただきたいと思います!!!! 

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