脳を壊す添加物

1975年冬号の『暮しの手帖 39号』128ページに食品添加物等の化学物質が、子供たちを暴れん坊で勉強嫌いにしている。と言う衝撃的な記事が載った。42年前のことである。それから一向に改まる気配もなく、食品公害は鎮まっていないどころか、益々ヒドくなっている。特に日本では世界中で使用されている食品添加物の種類も量もイチニを争っている。

さらに単位面積あたりの農薬使用量も、西洋薬の使用も世界中で最も多いと言わている。今、この時期に『暮しの手帖』の記事が伝える真実が、遅きに失するかも知れないが、人類文明の崩壊に歯止めをかけるのに一石を投じるかも、と思って年頭に書いてみた。アレルギー臨床研究所の北原静夫医師による記事である。サンフランシスコでアレルギーの専門医として著名な恩師ファインゴールド博士の実話である。

1965年の夏、オークランドの女性患者の皮膚病治療に、添加物なしの食生活指導でタッタの3日で良くなった。すると同じ病院の精神科の先生から電話があり「あの患者さんに特別な治療をしましたか?あなたのところで皮膚病の治療を受けてから、彼女の精神病が劇的に良くなったので・・・」と。ファインゴールド先生は、彼女が二年前から精神科にかかっていることを知らなかった。添加物のない生活を厳格に守るように指導しただけだった。

アレルギーだけでなく、精神疾患にも有効だったことを偶然知ることになった。僅か10日間で協調性のある、やさしい女性に大変身したというのであった。そうして研究を続けた結果ついに「なぜあなたの子供は、きかん坊で手に負えない勉強嫌いなのか」と言う書物を著し、北原静夫先生に贈呈してきたのであった。

HLD病(Hyperkinesis Learning Disability)暴れん坊で勉強嫌い病
の原因は、食品添加物にあるというのである。当時アメリカでは100~500万人とも言われていた。その後ファインゴールド先生は、1977年のマクガバン・レポート(米国の食事改善目標)で米国上院栄養問題特別委員会の委員の一人として活躍された。

北原静夫先生の訳で『なぜあなたの子供は暴れん坊で勉強嫌いか』(人文書院刊、ファインゴールド著)が出版されたが、私は手元になく暮しの手帖の1975年冬号もありません。どなたかお手持ちだと良いのですが。。

当時、郡司篤孝先生、武者宗一郎先生、真弓定夫先生、天野慶之先生、西岡一先生、森下敬一先生、田村豊幸先生、安藤孫衛先生たちが、同じように化学食品添加物の害を書物に著しておりました。近年では、渡辺雄二先生、郡司和夫先生、石原結實先生、船瀬俊介先生、内海聡先生、安部司先生、高野利之先生たちが啓蒙活動を精力的に行っております。

農業や添加物や消毒剤そして医薬品、各種のワクチン、放射能など恐ろしい毒物に汚染されている現代人は、一度滅びる運命にあるのかも知れない。あらゆる公害を激減させることは非常に難しいことかも知れません、が、これほどやりがいのあることもないかも知れません。解毒、排毒の知恵を出しあって、ここ10年くらいで実現するために、情報をインターネットでアット言う間に拡げたいと新年初頭の気持ちであります。

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