重ね煮料理 KAM(カム)料理 <<味>>について

「KAM」料理(味)について

※ K:重ね煮料理 A: 阿部一理 M:松浦洋江 3つの頭文字をとって KAM(カム)料理。

重ね煮料理の基本で鍋に材料を入れるときに、材料をサンドイッチするように少量の「お塩(自然塩)」を使います。

重ね煮料理の第一人者の故小川法慶先生は、かくし塩というのは、塩味を感じない程度に塩を入れる事。

かくし塩すると野菜類は甘味を出してくれるものです。

むかしの人は「旨いのも塩、旨くないのも塩」と教えてくれているようです。

「塩」が肝心です。

塩は生命維持に欠かせない食べ物(元素)です。

体内で作り出すことは出来ません。

森下敬一先生も『人間は「腎臓」から死んでいく』と言われています。

腎臓を傷める原因は塩でもあり、また 腎臓を治すのも塩です。

森下先生のお言葉の「細胞に海の条件を与える」は、名言だと思います。

重ね煮料理の基本

陰のエネルギーは上に、陽のエネルギーを下に向かいます。

陰の性質をもつ野菜類(椎茸・しめじ・えのき・なす・トマト・じゃがいも等)を下に
陽の性質をもつ野菜類(玉ねぎ・かぼちゃ・大根・人参・ごぼう等)を上に重ねて煮る。と逆に食材を置いた場合の味の違いはあるのでしょうか?

易学の根本原理の正反対(陰陽)のものが一つに溶けあうと別物が生ずる。と言われています。

重ね煮料理の基本で食材を料理した場合は、調和のとれた味になり、素材の味がうまく引き出されています。

逆の場合は、一つ一つ独立した味のようで旨味が無いような感じです。

重ね煮をする事で、別物が生ずる。と言う意味かと思います。

また、味付けには 、「さしすせそ」の順番に調味料を入れた方がよいと言われています。

逆の場合よりほんのり甘みを感じ、味が丸く優しい味になるようです。

煮物などの料理には合う、ほっこりする味のように思えました。

一方、逆の「そせすしさ」の順番で調味料を加えた方は、酢の酸味や砂糖の甘味を感じないようです。

砂糖に関しては、入れても入れなくても変わらないという味です。

味覚センサーでも甘味の変化を確認

その結果、「さしすせそ」で調理したほうが甘味が有意に高くなっていることが確認できたようです。

では、なぜ砂糖を先に入れると甘味が強く出るのでしょうか。

ここで重要になってくるのが「浸透圧」です。

浸透圧は簡単に言えば、“調味料の具材へのしみこみやすさ”です。

砂糖は(ショ糖)は、塩や醤油の塩分(NaCl)に比べて浸透圧が低い、つまり“具材へ味がしみこみにくい”んですね。

なので、先に砂糖を入れてあげないと砂糖の味が中に入っていかないんです。

「そせすしさ」のように先に塩分を入れてしまうと、具材にどんどん塩分が入り込み、砂糖が入り込むスキマがなくなってしまうというわけです。

※阿部一理 談
昔の人は、知らず知らずのうちに自然に身体に合う食材の摂り方を身に着けていたようです。科学的に証明できる現在、先人たちの知恵の素晴らしに驚嘆するばかりです。

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