「ぬか床は、魔法のベット」

免疫力=体温の高さ。これが免疫の故安保徹先生の口癖でした。 

 

 今 コロナ対策として、いの一番に重要なことは『低体温』を改善して平熱が37℃に近づくような努力をすることです。 

1957年厚生省が行った国民の体温調査では、平均が36.89℃だったそうです。そしてその頃は、ガンが100人に1人くらいでした。今は3人に1人がガンです。原因は低体温です。 

 

 100年くらい前のスペイン風邪大流行の折、日本人の死亡率は異常に低かった。和食もその一因だろうと言われたそうです。 

 

 今回は、その和食の大きな特徴の1つ、発酵食品を取り上げてみます。 

味噌、醤油、酢、納豆と並んで『ぬか漬け』は、白米を主食としている人には、特に必須の副食と思いますので、先ずは『ぬか漬け』から。 

 お米は、もみ殻を取り去ったものが玄米で、「皮と胚乳と胚芽」からなります。胚乳が(コ)、胚芽が(メ)です。合わせてコメです。 

コは男。メは女を表します。言霊的には、オトコとオトメ、ヒコとヒメ、ムスコとムスメが対応します。 

胚乳(コ)が「白米」で、横に並べると『粕』という文字になります。 

皮と芽(メ)が「糠(ヌカ)」で、健康の康に米偏の文字です。 

米の栄養素の95%はぬかに集中しています。 

そのぬかで、野菜(時には魚)の栄養、健康成分を増やし、香味を豊かにしてくれる『魔法のベッド』が文字通り『ぬか床』であります。 

栄養満点のおかずに変身し、白米の欠点を補ってくれる最高のパートナーになります。 

  

若い夫婦が一緒に貧乏や苦労をしてきた。 

その妻を「糟糠(そうこう)の妻」と呼んだほほえましい表現がありますが、「ご飯とみそ汁と香のモノの食卓」が目に浮かびます。 

塩分の濃度が高いぬか床では、浸透圧の高い食塩水から塩分が野菜や細胞内に入っていきます。この浸透によって細胞が活動を停止、死滅し細胞を取り囲んでいた繊維組織がたるみ、野菜も柔らかくなります。これを『塩ごろし』といい、シャッキとした食感のキュウリもグンニャリします。 

 

また『塩ごろし』によって野菜の細胞が死滅した後、酵素の働きによって自己消化を起こし、タンパク質がうまみ成分を含むアミノ酸に分解されて風味が高まるのです。保存性も高まり、ビタミン類、乳酸菌や酪酸菌といった有効な成分を多く摂取できるようになります。 

ビタミンB1の量が、生の野菜に比べ約9倍に増えます。(文部科学省の「食品成分データベース」より) 

ちなみに納豆のアミノ酸は煮ダイズに比べて、アミノ酸は40倍に増えます。発酵食品になると、全く別物の食べモノに様変わりするんですね。 

 発酵を進める3つの微生物として 

  1. 植物性乳酸菌 

ぬか床特有の風味を作るうえで、最も大切な役割を果たします。乳酸菌は糖類をえさに発酵し、乳酸を生成します。その結果、ぬか床が酸性になり害な微生物の繁殖を防いでくれます。また、腸の中の善玉菌を増やす働きもあります。 

  1. 産膜酵母 

  乳酸菌とともに、発酵に欠かせない酵母の一種。酵素を好み、ぬか床の表面に白いかびのような膜を張ることから、この名前がつきました。この白いカビ状の物質は無害です。ぬか漬け特有の芳醇(ほうじゅん)な香気成分を作ってくれます。 

  1. 酪酸菌

    酪酸を生成する細菌で、動物の消化管内にいる常在菌として知られています。酸の強い胃を通過し腸内に生きたまま届く。「腸の癒し菌」ともいわれ、大腸での善玉菌の増殖を助け、腸内環境を整えてくれます。 

      

状態の良いぬか床は、1gに乳酸菌が1億~10億個、酵母は100万~1,000万個もいます。 

★発酵に適した温度は25℃。室温が20~30℃ほどが理想です。寒冷期や冷蔵庫の中で保管する場合は、倍ほどの時間が掛かります。 

★かき混ぜるのは、3日に1回くらいでも大丈夫です。ぬかを足し足し、塩や昆布、干しシイタケ、アボカド、ゴボウもイケます。私はカブが大好物です。大根、きゅうり、ナスは定番ですね。みかんの皮、大根の皮、赤唐辛子などを加えて、自分好みの風味に仕上げていくのも「ぬか漬け」の醍醐味です。 

塩は大切ですが、良い塩を使ってください。苗代清太郎著「万象の根元」によると、塩ほど大切なモノはなく1,000分の1秒で殺菌すると書かれています。 

★魚をぬか漬けにする食文化が日本海側を中心に受け継がれています。 

北 九 州 市 

イワシやサバなどの「青魚とぬかみそ」で炊き込み料理で「じんだ煮」と呼ばれる小倉城下に今も伝わる独自の文化です。 

石 川 県 

フグの卵巣のぬか漬け。2~3年ほど漬けることで毒が抜け、コク深い極上の珍味に変わりますが、除毒のメカニズムは今だにはっきり解明されていないそうです。 

福井県若狭地方等 

塩漬けしたサバなどの青魚をぬか漬けにした郷土料理で、古くから冬を越すための保存食として親しまれてきました。あぶると独特の香りと風味が増し、ご飯が進みます。 

  

以上 白米を主食としている人が多いので、ぬか漬けを一番の副食に取り上げてみました。 

お味噌汁と共に何十年食べても、あきの来ない美味しさでさらに免疫力も高めて、医者要らずの伝統食を完成した力は大したものだと感心しきりで御座います。 

  

  

 

 

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