「海の塩」が教えてくれた自然観

海の塩が教えてくれた自然観

海の塩の成り立ちや、生命にとっての大切さに目覚めると、地球上の全ての命が大切で、何ひとつ人間の都合で殺してはいけないことが分かります。

もっとも愚かな行為は、地球で生きる命にとって必要な酸素やオゾン層、カルシウムや豊かな土をつくってきた植物を除草剤で殺すことです。大地のエキスを全て溶かし込んでつくられている海の水のミネラルバランスが、私たち人間が生きていけないものに変わってしまっています。

皆さんは、世界全体の農薬や化学肥料の使用量の半分以上が、この狭い日本に撒かれているってご存知ですか?海の水も然り、だからといってまだ汚染されていない遠い国や遠い島の塩を買う日本人って、ヘンだと思いませんか?

日本の土が海が、わたしたちの内なる海である体液環境を決めるのです。私は海の水の正体を知って、全ての命を活かす方法で、日本の自然再生がしたくなったのです。

*****阿部一理談****

野生の動物たちの「自己治療」について、大変興味深い本に出会った。

自然界は、薬の宝庫であり、動物たちが自然の恵みを実にうまく使いながら健康管理する方法を描き、文明生活にどっぷりとひたる人間にも警鐘をならす、と著者は語っています。

おそらく、この分野では世界で初めての著書でしょう。

『動物たちの自然健康法―野生の知恵に学ぶ』(シンディ・エンジェル著。紀伊国屋書店刊、2200円税別)

3章「食物、薬、自己治療」のp51『塩をもとめて』の中から一部を紹介致します。

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ナトリウムはあらゆる陸生動物にとってとりわけ貴重である。このミネラルは尿や汗として失われるので、たえず補充しなくはならないからだ。それは人間にとってもたいへん重要で、昔は塩(塩化ナトリウム)は一種の万国共通通貨として通用していた。ローマの兵士は給料を塩で支払われていた。「サラリー」という言葉はラテン語で塩を指す「サラリウム」から生まれたのである。硬貨がつくられるようになると、塩の重さと等しい値をあらわすホールマーク(ホールはギリシャ語の塩)が刻印された。今日でもエチオピアのダナキル平原にすむ遊牧民のあいだでは塩が貨幣として使われている。

草食動物はナトリウム不足に陥りやすい。山地や内陸の植物にはこのミネラルが少ない場合があるからだ。草食動物は塩への渇望がたいへん強く、それを手に入れるためなら死の危険をもいとわない。

実際、猟師たちは長年、獲物を開けた場所におびきだすために塩の塊を利用したり、天然の塩の推積のそばで獲物を待ち伏せたりしてきた。

スコットランドではトナカイの牧夫は、塩袋でつくったテントをトナカイがなめたり噛んだりする音に悩まされたものだが、今ではよく眠れるようになった。最近のテントは化学薬品を塗布した人工繊維でできているからだ。アフリカではアフリカスイギュウが塩のこびりついた植物や岩や、他個体の汗まで夢中になってなめる。中央アフリカの乾季には、何千匹ものチョウがマルミミゾウにたかって、ゾウの皮膚から塩をなめる。だが汗が唯一の塩分源ではない。多くの動物はナトリウムを含んでいる尿を熱心になめる、ペットのイヌが塩辛い尿をもとめてトイレについてくることもある。トナカイも放尿中の牧夫の邪魔をすることがあるようだ。

草食動物は沼や湿地や川のあるところでは水草を探す。水草は、陸生植物よりもナトリウム(やその他のミネラル)がたくさん含まれている。海に近いところでは多くの動物や塩辛い褐藻類を食べるこのため、海岸にはミネラルの豊富な海藻やケルプを食べに行くための獣道ができている。スコットランドのケアンゴーム山脈ではトナカイが、スコットランド高原やギリシャの島々ではシカやヒツジが、この行動をとる。アラスカでは肉食のホッキョクグマでさえ、アザラシのいない季節には海藻を探す。

彼らが求めるのは塩の味である。おそらくナトリウムがひじょうに重要であるために、塩は哺乳類がとりわけ渇望する数少ない栄養素の一つになったのであろう。

*****以上 転記****

ノーベル生理学・医学賞を受賞された ライナス・C・ポーリング博士は『ビタミンも酵素も、ミネラルがないと働かない。あらゆる病気を追求すると、結局ミネラル不足につきあたる』と。

良き塩をしっかり摂るために『味噌、醤油、梅干し、沢庵などなど』世界遺産たる和食の見直しを、是非!!!

再度強調します!!『現代人の病気の多くは、塩気不足です』

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