強い殺菌力の梅干し

進化しながら陸上に上がった動物たちは、塩分を補充する必要があります。
森から海への「けもの道」は「塩の道」でもあります。
(「動物たちの自然健康法」紀伊国屋書店刊 P52に詳しい)

特に草食動物はナトリウム(Na)が不足しがちになります。
人間の場合にも同じことが言えます。菜食の人は塩分の質と量が健康に大きな影響を与えます。
その点、肉や魚や卵を食べている人はNaの不足は起きにくいのです。

基本的には美味しい塩味が理想的なのです。
それは生命が欲しているという事なのです。多くの動物たちが仲間の尿をなめたり、平安時代の貴族が牛車で遊びに来た時に、牛を長く留めて置くために大好物の塩を店の前に盛ったことから、現代でも水商売のお店の前に盛り塩を置く習慣が残っている話は、知らない人がいない程です。

塩分の補充は、味噌、醤油、梅干し、漬物等から上手に料理に取り入れた日本の食習慣は実に見事であります。
季節柄今回は梅干しを取り上げてみたいと思います。

*************
梅干しといえば、おにぎりの具として一般的ですが、実は梅干しにはとても長い歴史があります。
昔から梅干しは疲労回復などの効果があることが知られています。

梅干しには、いろいろな種類があり、とくに女性には甘くて食べやすい「はちみつ漬け」も人気があります。
料理やお菓子作りなどにも使われていて、梅干しの人気の高さがうかがえます。

お弁当やおにぎりの具材として一般的なのが梅干しです。
梅干しは強い殺菌作用があるため、お弁当に入れておくと他のおかずが腐るのを防いでくれます。
このことは良く知られていますが、梅干しには本当にこのような作用があるでしょうか?

「食あたりや食中毒を防ぐ!!梅干しの強い殺菌力」

梅干しに殺菌効果を実際に証明した紀州梅効能研究会の実験があります。

「黄色ブドウ球菌」を入れた2本の試験管を用意。
一方の試験管のみ梅干しを入れ、人間の体温と同じ37℃で一晩温めます。

結果

  • 梅干しの入っている試験管は、菌が繁殖していないのが見た目にも分かります。
  • 梅干しの入っていない試験管は、「黄色ブドウ球菌」が大量に増殖し濁り、試験管の向こうが見えなくなる程だったそうです。

この結果から、梅干しには食中毒の原因である「黄色ブドウ球菌」の増殖を防ぐ機能があることが解りました。
研究会では同様に「O157」でも実験を行い、梅干しの有効性を証明しています。

これらの食中毒を引き起こす細菌に効果を発揮するのが梅干しに含まれる「クエン酸」です。
とくに体力が落ちて免疫力が低下しているときには、細菌の影響を受けやすいので積極的に昔ながらに作られた梅干しを食べることをお勧めいたします。

コメントする

CAPTCHA