「食と農」が危うい!!!

全くもって、惚れ惚れするような名文です。宮下周平氏の『続々倭詩』が書き溜められているところの『まほろばだより』がそれ!!

生命にとって『食』ほど大切なものはありません。

『食が血となり血が肉(細胞)となる』。まさに『食物なきところ生命現象なし』です。

―――以上 阿部一理(談)

 

引き続き引用

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厚生省による『自然食運動』殲滅(せんめつ)の画策

 その時、歴史は動いた。

その「腸管造血理論」と同時に、あの日あの時、森下博士が動かなければ、日本における自然食運動、今日における自然食品店は、殲滅(せんめつ)していたかもしれない。

 それをご紹介しよう。

 

 戦後、米国は「PL480法案」に基づき、「余剰穀物処理法案」を以て、余った穀物とそれによる畜肉を日本に押し付ける政策をとった。その時期、森下会長やマクロビオティックの創始者・桜澤如一氏は日本食の重要性を説き、自然食運動が盛んに起こった。しかし、昭和45年に至り、米国の指示を背景とした日本の厚生省(現厚生労働省)の思惑によって、自然食運動が完全に潰されようとしていた。(無資格で医療行為を行っていたという理由で桜澤如一氏を排除するという目的が大きかったのではないかと思う。一時投獄されたこともあった)

 森下会長がお茶の水クリニックを開院(1970年)される直前のことである。

 厚生省認可の「財団法人・自然食研究会」が創られ、ここに当時800軒あった自然食の店が半ば強制的に入会させられた。

 厚生省に、この財団を作ろうという話は製薬会社から出たものである。1,2年を経て、理事会(10人の理事のうち8人は製薬会社、1人は自然食関係)が開かれ、「自然食品というものは、かなり高度な性格を持った特別な健康食品であるが故に、専門知識が必要だから、薬剤師を配置する薬局のみ販売可能」との案件が可決した。

 それまであった自然食品店は、薬剤師を配置できる数軒を除いて全滅し果て、これに伴い、大約(たいやく)100万人の自然食同調者会員も一氣に衰退していったのだ。

 この財団を創るとき、厚生省から、是非ともバックアップしたいとのアプローチがあった。他の人たちは喜んで、これを受けたが、独り会長は怪しいと睨んだのだ。

 その時、森下会長が懇意にしていた厚生省の上層部X氏から連絡があり、省内で自然食運動が目障りであり、潰そうと画策していることを、リークされたという。

 

 それは、健康に約立つものを販売するには、その資格を授かった人が売る、即ち薬剤師の販売できるように仕組む。しかし、自然食品店が、容易に薬剤師を雇える訳がない。その無理を知って、事実上、販売させない。巧妙な自然食運動壊滅作戦だった。

 だが、森下会長は、その手に乗らなかった。以降、森下会長の著作が新聞紙上に掲載されることはなく、各社より拒絶されて来たという。

海外の動向は

 今村光一氏の『今の食事が子どもを狂わせる』にあるように、食品添加物・農薬が、暴力児の犠牲者を生んだ。ファインゴールド博士の著『なぜあなたの子供は暴れん坊で、勉強嫌いか』では、カナダでは学校給食から食品ケミカル(化学的食品添加物)を全面追放して、目覚ましい効果を上げたとある。こうしたカナダ政府の取り組みが、後年のマクガバン報告に繋がったにも関わらず、そのころ日本国内では、自然食運動を潰す為の策略が、厚生省によって実行されたのだ。

 マクガバン報告にあるように、47年前、カナダでは食品添加物・農薬の入ったものを子供に食べさせないという政府の決定に従い、その後子供の驚くべき著しい症状改善が見られたのだ。しかし、日本では、何と非道にもその逆、自然食運動を潰そうとしたのだ。

 膨大に膨らみ続ける医療費。それは、医学・薬学界の利権を意味する。健康は食物から来ることを無視して来た。むしろ、それを潰そうとして来た国の愚策を憂い憤るのだ。

『腸管造血』とは何か?

食と農の原点に立つ

 それは言ってみれば、『食』なのだ。

 無論、造血は腸管のみならず骨髄も、他の器官も関与しているかもしれない。だが、食が、人間の血肉を造っているという事実は変わらないのだ。そして、食は、水と空気と太陽の自然の恵みと共に、人体に取り込まれ、新陳代謝を繰り返す連続性の原動力なのだ。生命の基(もとい)なる食を無視した戦後医学の辿った道は、過剰医療の薬剤の多量投与による人体の脆弱化・衰退化でしかなかった。

 しかし、現代では、その大切な「食」は、農薬や添加物、環境汚染、自給率の低下などにより、最早(もはや)頼れない物になり下がり、農の原点、食の自立が揺らいでいる。

人々は、ますます「食」から遠ざかり、健康維持のために、健康食品(サプリメント)や、過剰医療・過剰投薬にシフトを移して戻れなくなっている。

それは、崩れかけた砂上に家を建てるようなもので、根本的な治癒・解決策にはなり得ない。

 

 このような時こそ、「農」という現場と「食」という原点に立ち戻り、力強く踏みしめ、健康健全なものに立て直していくこと。それこそが、『まほろば』という自然食品店の役割であり、『まほろば自然農園』の使命だと認識している。 

 故に、農園は、『まほろば』とお客様を結ぶ生命線であり、絆であり、命の根っこなのです。

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以下 阿部一理記

昨年(2018年)1220日(木)お茶の水クリニック森下敬一先生の「木曜会」に参加させて頂きました。その折に『自然食運動殲滅画策のウラ話』をお聴きし、早速宮下周平氏に伝え、今回『まほろばだより』に載った次第であります。

詳しい内容が発表され嬉しい限りです。

 

それにしても、カナダ政府と日本政府の姿勢の違いには、唖然とするばかりです。

NHKのチコちゃんは、この当たり前の問題をとらえて『ボーっと生きてんじゃねえよ!』と叱って欲しいものです。

生命にかかわる問題がテンコ盛りなのにねェ!!

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