2017年5月27・28日『八ヶ岳のライフチューンの集い』の森下敬一博士の講演に加筆されたものが、雑誌『森下自然医学』の8月号に掲載されました。それをもとに、今回プロローグでご紹介させて頂きます。次回は3回に分けて雑誌の一部を抜粋させて頂きます。
森下自然医学に学ぶ『食の真髄』と『腸管造血の最新情報』
1950年当時森下博士が「食物と血液とガン」の密接な関係を発表されました。今でこそあまり違和感もなく話は通りますが、当時は「何をバカな事を言うのだ!!」と言う感じだったそうです。
博士が、訳あって東京医大の研究室に寝袋で泊り、飯盒(はんごう)でコーリャン入りの米を炊き、おかずはもっぱら塩辛。冷蔵庫がないから保存は全て塩漬け。澱粉と塩漬けの毎日。それが、すこぶる健康に良かった。塩分量は一日42g。血圧は正常。
何より超短時間の睡眠で大丈夫。徹夜も平気。塩は本当に大切なものだと身をもって体験。昨今の糖質を減らせ、塩分控え目なんていう嘘パチの健康法は、日本人をダメにしてしまうと嘆いているのです。
マクロビオティックの桜沢如一先生の集会に頻繁に通っていたので、その影響で「主食は玄米にすべし」と毎日が粗食に明けくれていたそうです。桜沢先生がフランスに出かけた後の代講を務めていたのもこの頃だそうです。
そんな折トンデモない情報が入った。『日本人、肉食人種化計画』ともう言うべき計画です。アイゼンハワー大統領の時代に、アメリカの議会をPL480法案が通過した。一般名称は『余剰農産物処理法案』で、その実体は大量に余った米国内の穀物を日本人に食べさせるために、直接穀物や野菜を食べされるより、牛の餌として食べさせて、その牛の肉を食べさせる方が数倍も消費できる。と言うものでした。
肉1kgを得るために、15kgの穀物、野菜を使うのですから知恵のある人がいたものです。さらに、そのためには「肉食が身体に良い。との洗脳」をやっておく必要があると説いたと言うのです。敵ながらアッパレです。
日本古来の「米、野菜、魚」の食形態と「パン、牛乳、肉」の欧米型の食形態を比較すると前者の優秀性がハッキリしていた。そこで森下博士の自然食運動が動き出したのです。
ご飯を主食に(玄米が理想的)、野菜、海藻、魚介、味噌汁、ぬか漬け・・・。昔ながらの日本の原風景です。大人は過食に注意し、時折りプチ断食を取り入れ、化学物質に毒されない生活が基本だと言うのです。
欧米では、心ある人たちの間で和食の優秀さが見直され、マクロビオティック、ベジタリアン、ローフード、ビーガンと少しずつ違いがあります。が生命にとって如何に「食」が重要かということに変わりなく、いずれもが肉食忘国論につながって行きます。
アメリカのマクガバンレポートの補足として出版された『葬られた「第二のマクガバン報告」グスコー出版上・下のサブタイトルは『動物タンパク神話の崩壊とチャイナプロジェクト』です。ガンの最大の原因は、肉食だという結論です。化学物質による汚染が拍車をかけていると思います。
悪い食事が悪い血液になり、その悪い血液が悪い細胞へと変わっているのです。この文章の「悪い」を「善い」に変えればいいのです。
『食が血となり、血が肉となる』のです。
ギリシャの医聖ヒポクラテスの『食べ物で治せない病気は、医者にも治せない』は真理であります。では、一体どこで、どんな風にして、食が血液になっているのでしょう。
ここからは、森下博士の腸管造血説の面目躍如であります。