ジャン・ジャック・ルソーの『エミール』

ジャン・ジャック・ルソーの『エミール』は徹底した「肉食と西洋医学」の非難をしております。岩波文庫『エミール(上)』巻(今野一雄訳)を用います。

2002年で68刷りですから、何十万部をいう、大ベストセラーでしょうか!!!!但し 殆ど読まれていないと思います。なぜなら 若し262頁5行目からの7頁を読んでいただくだけで、今日から肉は食べられなくなると思うからです。

こんな大切なことが話題にならない事が、読まれていない証拠ではないでしょうか?「ツン読」ではもったいない話しです。

200年以上も前に書かれたこの本は、当時の西欧社会の現実的な意味で大きな支えとなっていたキリスト教会の権威を否定する事になったのですから大変でした。激しい語り口で体制を批判しながらも、彼は公然と自分の名を『エミール』に記したのです。

この大胆は試みは、当然権力者たちの逆鱗にふれ、パリの高等法院は出版後まもなくこの本を禁書とし、著者に対して逮捕令を発したのです。1762年、フランスからスイスにのがれ、その後八年間流浪生活を強いれられることになったのです。

私は、この本が現在、もっぱら教育論として取り扱われている事をとても残念に思います。哲学書、宗教書、そして実用的な政治学の書とさえ言えるものだと思います。いかに鋭い観察眼でもって、深く現代や、現代人までをも批判しているか、読むたびに身の引き締まる思いで一杯です。

「ジャン・ジャック・ルソーの『エミール』」への3件のフィードバック

    • 有川さん
      いつも大変お世話になっております。
      メールありがとうございます。
      また
      いろいろご指導頂きたいと思います。

      返信

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