人相見の水野南北氏

水野南北翁のすごさ!!!

次にその歴史的実例を紹介いたします。江戸時代の高名な人相見「水野南北」氏の人間医学社版『南北相法極意・修身録』から一部を抜粋いたします。

  • 食 分限より少なき者は相貌悪しくとも吉なり。相応の福分あって短命なし、なお老年吉なり。
  • 常に大食暴食の者は、たとえ相貌大いによろしくとも身分しかと治まりがたし。貧者は次第に窮す。又は、相応に福ある人は家を損す。若し相貌悪しければ、死して棺なしと知るべし。
  • 又 小食にして厳重に定まりある者は、たとえ貧悪の相ありとも、相応の福分あって、寿をつかさどり諸事大概ととなわざる事なし。なお老年吉なり。尤も弱弱しく見ゆるといえども痛むことなし。

全125ページの書物。少し書体が古いですが読み応えのある書物です。体質は食によって変えられる、ということなのです。「食が血となり。血が肉となる」が食養の真髄です。「食べ物によって治せない病気は、医者にも治せない」と、古代ギリシャの医聖ヒポクラテスもその真理を見事に喝破しております。

顔に現れる病気の相

以上のことを踏まえた上で1979年の『食養の道』第7号 8号に36頁にわたって掲載された大森英桜先生の『顔による健康・病気診断(1)(2)』が興味深いので少し紹介致します。陰陽による宇宙の成り立ちや、発生学(生物の進化の過程を胎児は系統的に繰り返すと言う学問)を元にしたユニークな説です。

  • 口は消化器系を現します。上口唇は『胃』 下口唇は『腸』色、筋、ホクロ、乾き、腫れ、ゆるみ具合。上口唇の左側は『胃の上部』 上口唇の右側は『胃の下部』を診ます。口唇の横が割れているのは、胃が荒れているのを現している言う訳です。
  • 鼻は背骨を現わします。鼻の曲がり具合は、ほぼ同じように背骨の曲がり具合を示しています。内臓の腫れが背骨の曲がりの原因です。鼻の「頂き」は心臓と診ます。赤い方は、お酒の飲み過ぎです。毛細血管が切れかかっているのです。脳卒中や心筋梗塞の注意が必要となります。小鼻は肺の状態を現すと言われます。
  • 耳は腎臓。大きく、分厚く、特に耳たぶがふっくらとして正面から見えないくらいにピタッと寝ているように顔にひっついているのが吉相と言われています。

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