「酸素は毒だ!!」と聞いて驚いたのが、27年程前の抗酸化食品のセミナーでありました。当時は、まったく耳新しい言葉だった「活性酸素」も今は知らない人はいない程ポピュラーになっています。
酸素は地球上で20億年程前から増加をはじめ約5億年前に今の空気中の濃度の約20%に達しました。酸素という毒物に耐えられるように道化した生物は、さらにこの酸素を解毒するしくみを手に入れました。ヒトは、このしたたかな生物たちの子孫であります。
中でも動物は酸素を利用して栄養素のもつ潜在的なエネルギーを効率よく利用し動けるようになりました。その大きなエネルギーを生み出すのが細胞の中の発電所のようなミトコンドリアの働きであります。
ところが、呼吸した酸素の2%くらいがどうしても活性酸素となり、悪さをするのです。もちろん一部は、体内に侵入した細胞やウイルスなどを撃退したり、殺菌・消毒に使われたりしますが、過剰な活性酸素が遺伝子に傷をつけるなどの悪さをします。
それを除去するのに体内でつくられる酵素群(SOD、カタラーゼ、グルタチオン・パー・オキシダーゼ等)が過剰な活性酸素を消去してくれます。
20才代をピークに、40才代、60才、80才とドンドンその酵素群は減少していくと言われています。植物たちは、体内に様々な抗酸化物質を合成し身を守っています。いわゆる微量栄養素を動物達が食することによって、過剰な活性酸素の害(酸化)から身を守るシステムを持っているのです。
酸化の原因としては、紫外線、放射能、化学物質(農薬・添加物・水道のカルキ等)、過激な運動、過食、そして何よりもストレスなどが挙げられます。
良質な食材で酸化に抵抗し、過剰な活性酸素を作り過ぎない健康で長寿の生活を目指して欲しいと思います。