植物は〈知性〉をもっている」ステファノ・マンクーゾ&アレッサンドラ・ヴィオラ著NHK出版 1800円(税別)
第二章では「植物は 独立栄養生物 つまり自給自足する生き物」と定義できる。動物は、自給自足が出来ない。
と言う事は人間は、植物に学ぶことが多いのではないでしょうか?
(阿部一理 談)
動物とちがう生活スタイル
「定住民」として進化する
地球最初の生物たちは、異なる二つの生き方を選びとった。
「植物」は安定民の生活スタイルを選んだ。地面、空気、太陽から生きるために必要な物すべてを引き出さなければならなかった。
「独立栄養生物」=自給自足する生き物
「動物」は遊牧民の生活スタイルを選んだ。栄養をとるためにほかの動植物を食べなければならず、運動に関わるさまざまな能力を発達させていった。「従属栄養生物」
生態系の陰と陽。白と黒である。
個を超えた知性
植物は「剪定」をした場合、余分な枝を刈りとることで、木全体の成長が促される。植物の個体は、無数の同じモジュールから構成されている。基本的には独立したまま、べつのモジュールと連結している。
レゴのブロックに似ているといえるかもしれない。二つに切り分けても、その二つの部分はそれぞれ独立して行きつづける。つまり植物は「個=分割不可能」ではないからだ。
人間一人ひとりを「個」と言う。私たちの身体は「分割不可能」なのだ。もし体が真っ二つになれば、二つの半身はどちらも生きられず、死んでしまう。
植物無しでは私たちは生きられない
もし明日、植物が地上から消え去ったら、高等動物は地上から姿を消してしまう。
私たち動物が消えたら、植物はこれまで動物に奪われていた領土を
わずか数年で完全に取り戻すにちがいない。
植物は食物連鎖の土台である。私たちが食べているものは全て植物か、
または植物から栄養をとって成長した生き物だ。
21世紀初頭 ロシアの植物学者 クリメント・チミリャーゼフ(1843~1920年)は
「植物は地球と太陽とをつなぐ環である」
人間が大昔から利用してきたほとんどすべての燃料は、植物が作り出したものだ。