「植物は〈知性〉をもっている」ステファノ・マンクーゾ&アレッサンドラ・ヴィオラ著NHK出版 1800円(税別)
この書籍の「はじめに」に下記の事が書かれています。
植物は私たち人間がいなくても
なんの問題もなく生きることが出来るのに
私たちは植物なしではたちまち絶滅してしまう。
5つの章に分けてその科学的な証明を思い切って抜粋してご紹介致します。
問題の根っこ
昔からはびこる誤解
デモクリトス(紀元前460年~360年)は「あらゆる物体は、原子からできている。原子は空虚のかなに存在し、たえず動きつづけている。動いていないように見える物体も、この永遠に動きつづける原子から出来ている」というものだ。
あらゆるものは動いていると考えた。植物も例外ではない。植物も動いている。木々は「逆立ちした人間」にたとえることが出来ると考えていた。頭を地面に突っ込んで足を宙に上げている人間、と言う訳だ。
本当に人間は植物よりも進化した存在なのか?
自然科学者ダーウィーンは「植物が非常に洗練された複雑な生物であり、一般に考えられているよりはるかに優れた能力をそなえていることを、はっきりと理解しているのだ」
当初ダーウィーンは「植物は受動的な存在で、感覚をもたずコミュニケーション、行動、計算の能力をまったくもたない。これは完全に誤った進化の道筋をたどった結果である。」
その後「地上に現在生息している生物はどれも、それぞれの進化の道筋の最先端に位置している。さもければ、すでに滅びているはずだ」「根」には下等動物の脳に似た何かがあると確信した。
「植物を知性生物」とみなすべきだと考えていたのは確かだ。