『病気を治す術、病人を治す法』(桜沢如一著・日本CI協会刊)という、書名だけ見ても大変興味深い書物があります。 医聖ヒポクラテスの言うように『食べ物で治せない病気は、医者にも治せない』のです。
食事を変えることによって、病気を治すことが最後のことと思っていたのですが、それも厳密に言えば、対症療法だと桜沢はいうのです。さらに『病気』ではなく『病人』を相手にするためには『術(技)』ではなく『法(人生観・哲学)』だというのです。
後年 桜沢は、アフリカのランバレーネにおいて、シュバイツァー博士との凄絶(せいぜつ)なやり取りの中で、自ら熱帯性潰瘍に罹(かか)り、それを短時日に治してみせた。その中で著した『東洋医学の哲学』(日本CI協会刊)でも分かる通り、東洋医学を術として捉えるのではなく、哲学として捉えなければいけない、という思いを込めた書名でありました。この本は、元々シュバイツァー博士のためにフランス語で書かれたものを、後に別人が訳されたもののため、桜沢の数多い著作の中は文体が異なっています。
さて『法』として捉えるならば、食事をいただく時の『心持ち』が非常に重要になってきます。質と共に、頂く時の『心持ち』であります。イヤイヤ食べる事の勿体なさを改めて思うのです。 施術を受ける時の『心持ち』もそうです。有り難い、申し訳ない、勿体無いという心持ちがもてるかどうか、受ける側として、とても重要なのです。
そのように心底から思える程の確信のために、体験談が貴重なのです。「そうか、そんなに凄いのか。私もそうなりたい。イヤ絶対に治りたい!! 経済的にどんなにかかっても治りたい。元気になって病気と縁を切りたい!!」と。そう思った瞬間に、もう治り始めているのです。
幼い子どもの場合は、親の心持ちが変わるだけで充分です。これを実践しようと心底思うことで奇跡は起こるのです。愛の力とも言えます。偉大なるかな信仰心であります。
48年前 私はマクロビオティックと出会いました。そして心臓が五分の一くらいの大きさで生まれた秋月辰一郎さんの心臓が、たった二ヶ月で五倍の大きさに。なんと普通の人の心臓のように修復されたことを知り、『心臓を入れ替える法』(桜沢如一著 日本CI協会刊)を読みました。その秋月院長を長崎の「聖フランシスコ病院」に訪ねて実際にお話を伺ったのです。(詳しくは、拙著『放射能汚染から命を守る最強の知恵』コスモ21。をお読み下さい。現在は、電子書籍で読めます)
生まれつきの心臓の異常が僅か二ヶ月で修復した事実は、まさに衝撃でした。当の本人が、昭和15年に京都帝大の医学部を卒業したお医者さんですから二重に驚いたものです。 秋月先生の体験(玄米と味噌の威力)に、意を強くした私は、進行性筋ジストロフィーの吉田将人君(当時5歳)を僅か二ヶ月でほぼ完治という指導をさせていただきました。今は懐かしい出です。
最近、12年間の人工透析の方が、ある健康法で三日目にオシッコがジャーと出て、一体何が起きたのか、本人も医者もビックリ。半年あまり時間をかけて徐々に透析を減らして行きながら、最終的に透析をする必要がなくなり、仲間の6人も透析が外れたと言う情報を得ました。これが本当なら大変なことだと調べました。
イヤー驚いたのナンノ。 奇跡の連続体験談!!! 世の中は広い。 実にイロイロなものがあるものだと、今更ながら仰天したものです。
そう言えば、脳も歯も自己修復力があると聞いたことがあります。脳は、1998年に大人の脳神経細胞も日々新しく生まれていることが発見された。ということは、脳科学界では知らない人はいないそうです。 それまでは「大人になったら脳細胞は、もう増えることなく減る一方だ」と考えられた常識が、根底から覆ったのです。この発見と、成人後の脳神経新生についてのその後の研究によって、私達は何歳になっても「脳を育てていける」ということが分かって来たそうです。(脳科学者 中野信子著『脳科学からみた祈り』潮出版より)
歯の自己修復力については、群馬県高崎市の丸橋賢(まさる)歯科医が、毎日新聞に掲載された記事の中で『大切な食生活と歯の健康。ご存知ですか歯の自己修復力。唾液が溶解防止に大きな役割』と話されています。そういえば、20年も前のことですが、事故で前歯を折った50歳代の男性が、もと通り修復しましたよ、と写真を見せてくれたことがあって、なる程と丸橋先生の記事を思い出したものでした。
偉大なるかな自己修復力!!! 生命の力!! 良い素材と、しつこいようですが 感謝の心と治る確信がカギです。
さてタイトルにあるように『治りやすい人、治りにくい人』があることがお分かり頂けたかと思いますが、さらに重症の方が治るくらいだから、軽症の人はもっと簡単だろうと思いがちですが、これがドッコイ真反対の場合もあるのです。世の中は分からないものです。
なぜ重度の人がかくも簡単に治るのか?については、次回に紐解いてみたいと思います。目から鱗の話でだと思います。