新年を迎えました。2020年 令和二年。激動の年の幕開けです。
事故や災害に縁がなく、病気をしないで、経済的に安定収入を得て、一年大活躍を期待致します。
★病気をしないためには、良い食事と冷え中毒を止めて、楽しく生きることです。
『アイスクリームと冷えたビール』は、昨年末に書いたように毒だと思って下さい。
★食べ物としては、友人石原結實医師の『糖質制限は危険』(海竜社刊、税別1200円)がオススメです。
昨年11月24日のNHKスペシャル『食の起源第1集 ご飯』ご覧になった方も居られると思います。食べたいご飯を減らし、塩分を控えめにして味気ない食事をしていた人たちが、アレッ『糖質制限』や『減塩』はしなくて良かったの??
なんでこんなに正反対の意見が出て来るの?
世のおじさんたちが、ビックリしたのも無理はありません。もともと人間は、糖質(炭水化物)が一番重要な栄養素なのです。歯は60%が臼歯で、穀物をかむための歯だと聞いたことはありませんか?
たとえ主食が白米であっても、しっかり食べた方が良いと、米国シモンズ大学教授テレサ・ファン博士(ハーバード公衆衛生大学院研究者)の研究です。
(阿部から注。玄米は24時間水に浸けて発芽毒を消してから炊いて食べる事に注意)
週刊ポスト(2019年12月9日発行)の記事が、白米は『長寿食』か『短命食』か?
考えてみて下さい。
戦前の日本人の食生活は、ご飯と味噌汁とお漬物に、魚や野菜の煮付け(いわゆる和食)だったのです。ご飯だって、2杯も3杯も食べていながら肥満体も糖尿病も高血圧症も殆どいなかったのです。
間違った糖質制限を苦々しく思っていたところに、なんとタイムリーな『Nスペ』だったことでしょう。思わず拍手喝采でした。
少し長いですが、東北大学大学院農学研究科の都築毅准教授の昨年5月の日本栄養・食糧学会での研究発表を引用しましょう。
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都築准教授らがマウスを「一般的な日本人の食事に近い通常食」「アメリカ人の食事に近い高脂肪食」「糖質制限食(総カロリーの20%程度)」の3群に分けて飼育した研究でも、糖質制限食グループは他の食事グループと比べて、8~9週ほど短命だったという。
なぜ糖質制限が死亡率の上昇につながるのか。
都築准教授は、「タンパク質の増加がカギを握る」と指摘する。
「白米などの糖質を制限すると、タンパク質の摂取比率が多くなります。すると、細胞が不良タンパク質をリサイクルする『オートファジー(細胞の自食作用)』が抑制され、細胞内のゴミを処理することが出来ず、健康リスクが増加します。」(都築准教授)
実際、2012年ハーバード大が約4万3000人を対象に、食事と糖尿病発症の関連について発表した研究結果では、「糖質の摂取減」と「タンパク質の摂取増」が同時に起きると、心筋梗塞や脳梗塞といった血管の障害が増加した。
糖質制限は外観的な「老化」も促進する。
都築准教授の研究では、糖質制限したマウスはみるみる毛ヅヤが悪くなり、皮膚がただれた。
「糖質制限をするとオートファジーが制御されることに加えて、腸内で炭水化物をエサにする善玉菌が減少して、腸内細菌のバランスが崩れることで老化を促進します。実際、糖質制限を与えたマウスの腸内では、善玉菌が90%も減っていました。」(都築准教授)
Nスペにはラオスの奥地に住み、かつての日本人のように多くの白米を食べている少数民族が登場した。彼らの腸内細菌には、脂肪燃焼を促進したり、免疫機能を高める効果につながるプリボテラ菌が全腸内細菌の2割以上を占めた。同番組の調べでは、現在の日本人にもプリボテラ菌が7.5%存在しており、「健康を守る腸内細菌が受け継がれている」と紹介された。
==中略==
豪メルボルン大学の研究チームが16年に科学雑誌『NATURE』オンライン版に発表した論文では、「低炭水化物食」(糖質制限食)を与えたマウスは、インスリンを生成する「β細胞」の機能が減少した。
長期の糖質制限が「脳」に与える影響も深刻だ。
「白米を食べないなどでブドウ糖が欠如すると、脳細胞に栄養を与えるグリア細胞が機能しなくなります。糖質制限を長く続けると脳機能が衰え、認知症を発症するリスクが増します。最近の高齢者の交通事故の増加とも関係があると危惧されています。」(高田医師)
都築准教授の研究でも、糖質制限食を与えたマウスは、一般的な食事のマウスより記憶力が半分程度に低下した。白米を食べ続けることは、健康寿命の長期化につながるのである。
都築准教授は、今こそ白米を含む『和食』に注目すべきと指摘する。
==中略==
Nスペはシリーズ第二集として、米に続いて『塩』の特集を放送する予定だ。塩といえば、糖質制限と同じく「減塩」による健康法が注目を集めているが、ここにも落とし穴がある。
塩分は体内に取り込まれると血液に運ばれる。すると血液の塩分濃度を薄めるために血液内に水分を取り込むため、血液量が増えて血圧が上昇する。
高血圧を放置すると、動脈硬化が進んで、脳卒中や心筋梗塞などの合併症を引き起こす。それゆえ日常生活から減塩が必要とされ、世界保健機関(WHO)は1日の塩分摂取の上限を5gとし、厚生労働省は、男性は8g未満、女性は7g未満を推奨する。
だが世界では、推奨値以上の塩分を摂取しても健康リスクは上昇せず、逆に過度な制限は病気リスクが上がるという研究結果がある。
18年にカナダのマクマスター大の研究チームが英医学雑誌「ランセット」に発表した論文では、8万人超の尿中ナトリウム排泄量と健康との関連を調べた。
その結果、最も死亡率が低かったのは、1日に約12gの塩分を摂取するグループだった。また塩分摂取量が1日に7.5g以下の人は、1日に12.5gまで摂取する人と比較すると心疾患や死亡リスクが高くなることも分かった。
米ラッシュ大学メディカルセンターの研究チームが15年に発表した論文では、833人の心臓病患者を平均3年間追跡調査した。
その結果、減塩食糧法を受けている心臓病患者は、受けていていない患者に比べて、死亡リスクが69%、入院するリスクが68%高くなった。気になる原因について同研究チームは、「減塩によって体内の水分が不足する。そのとき水分量を維持するために分泌されるホルモンが、心臓病を引き起こす原因になっているのではないか」と推測する。
北品川藤クリニック医院長の石原藤樹医師が指摘する。
「その他にも、世界中の多くの研究が『WHOや厚生労働省の塩分摂取目標は厳しすぎる』ことを示唆しています。塩分は生命活動に必要不可欠であり、健康のために摂取すべき適量が明確になっていない段階で、『塩分は悪者』と決めつけ、減塩を迫るのは早計です。」
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※阿部一理のまとめ
健康情報には、心して耳を傾けないと落とし穴がいっぱいあります。
本当に、こんなに『ご飯を止めて、肉を食べましょう』と。
大合唱を作り上げたと思います。
次回は、肉食の害について書いてみましょう!