人体と環境の汚染を、何とか自然回帰させなければ、と切に思います。石油を原料とした製品の数々は、見事なまでに私たちの生活を便利にしてくれています。
「必要は発明の母」をもじって『怠惰は発明の母』とも言われていますが、便利さと引き換えに実に多くの公害を生み出してしまったのです。1964年6月レイチェル・カーソンの「生と死の妙薬」(新潮社)は、13年後「沈黙の春」として新装版が70数版というロングセラーになっております。
しかし環境破壊は止まるところを知らず、ついにインドではPM2.5のせいで3日間休校と言う事態に致りました。車の燃料、プラスチック、ビニール、衣類、食品添加物、化学調味料、化粧品、洗剤、塗料、建材、農薬、医薬品等々多岐にわたっています。さらに塩素系の毒素が追い打ちをかけるように、大気汚染をはじめとして、土壌、河川、海の公害の多くを石油と共に作りだしております。
特に自宅でお料理を作らなくなった現代の食文明の結果、消毒剤として使われている次亜塩素酸は恐ろしいまでの健康被害を生んでおります。食中毒を恐れるあまりの厖大な消毒剤の消費量であります。
これらの化学的な毒物から身を守るべく術(すべ)は、もうないのでしょうか?解毒を担当する肝臓と、排毒を担当する腎臓が悲鳴を上げている結果が、現代の病人の多さの最大原因と思います。
『肝と腎は要』を『肝腎要』と言います。肝心要より『腎』の方が東洋医学的には適切だと思います。体の入り口と出口の門番が肝と腎だからです。前項で述べたように、少食にしたり断食したりすると。体細胞が血球に戻る現象が起きます。(順化に対して可逆可現象、同化に対して異化作用とも呼びます)
その時に、細胞の毒素が排泄されて、細胞があるべき状態に戻るのです。(自然治癒の原理)ところが毒素が大量に蓄積しているために容易に分解、除去ができないようです。(日本人の食品添加物の年間摂取は4kg以上。農薬の使用も世界一、二を争う量)こうした細胞を『ビニール細胞』『サランラップ細胞』『化学毒物細胞』と呼んでいる方の話を聞いて、そのあまりに的を得た言い方に妙に納得したものでした。