私は「森下敬一」と言うより「塩づけデンプン人間」と申し上げた方が良いかもしれません。(笑)
私どもの成長期は戦争時代でありました。白米はもちろんの事、肉や牛乳なども見たことがなく、麦と粟と、芋と豆、そういうモノが主食でした。当時、冷蔵庫がありませんので野菜や動物性のモノすべて塩漬けにした瓶詰です。
その当時の塩の摂取量は1日40gの塩を摂っていました。今は10gとか言っていますが、これでは少なすぎてダメです。我々の歴史は海から誕生したのです。今「減らせ」とは。これは人間のモノの考え方、頭脳の働き方が衰弱してきている証拠と考えた方がいいです。
1950年に私は大学を卒業したのですが、卒業後先輩から「お前たちの世代は、成長期に何も栄養を与えていなかったから、血管は非常にもろい。10年ぐらいの間に心臓が止まってこの世とおさらばだな!!」と言われた世代でした。ところがデンプンと塩漬けしかなかった世代が生き残っている。ということは「栄養学」自体がとてもおかしい状況になっていると言えるのです。
食を減らして、肉食を止めることは世界の平和に寄与する。
世界の人口が75億人と国際問題になっています。今、私どもがやらなければならないことは、1日に3食食べている人がいたら2食にしてください。本当に平和を守って行こうという人は2食にしなくてはならない。私は大体1.5食という生活をこの40年くらいずっと続けています。
牛肉1kg作るのに14~15kgの穀物と野菜が必要になるのです。だから肉を1kg食べたということは、14~15kgの穀物と野菜を食べたことと同じ事になるのです。
また、皆さんが子供たちを食事に呼び集めるときに「ご飯ですよ!!」と言いますね。決して「おかずだよ」とか「パンだよ」なんて言わない。実際パンかもしれないですが「ご飯です」と呼びかけます。ご飯というものは、おコメを炊いたものです。これが食事全体の象徴なのです。
ご飯を食べ始めるとき手を合わせて「いただきます」と言います。このご飯の食材として動物や植物の命を「いただかせていただく」。私の命と合体させていただく。本当にそう思いながら手を合わせる必要があります。一種の儀式なのです。