便利なプラスチックには、2つの大きな問題点があります。
1つは、マイクロプラスチックという超微粒子が動物の体内に取り込まれている問題であり、
もう1つは、プラスチック製品を作る時に添加される化学物質が、環境ホルモンとして動物の生存に悪影響を与えている問題です。
特に2つ目は、一部の専門家の間では30年も前から言われていた究極の毒物汚染の姿であります。
今回取り上げたのは、NHK BS1スペシャル『それでもプラスチックは必要ですか?人体をむしばむプラスチック』を昨年末に観たからです。
結論から言いますと『毒物』でした。
夢の資材として、さまざまに形を変え、身近な便利な、これなくしては生活が成り立たないのではないかという存在が今更ながら『毒物』と言われても・・・。
63億トン廃棄され、リサイクル率は僅か9%とは。
すべてのプラスチックは、化学物質を含んでいます。
一例をあげますと、
原油から作られ柔らかくするために「フタル酸エステル」を、
固くするために「ビスフェノールA」を添加します。
これらの有害性は、すべて分かっているワケではありません。
女性ホルモンに似た物質が発見されたとき、内分泌攪乱物質を「環境ホルモン」と命名され定着しています。
もし、これが「環境毒性ホルモン」という名前に変更されたら、人々の意識が大きく変わったのではないかと思われるのです。今からでも遅くはありません。呼び名を変える事を提案したいと思います。
胎児はプラスチックに由来する化学物質にさらされています。そのことが人の成長にどう影響し、どんなリスクにつながっているかを探る壮大な実験を、全人類がやっている、と言うのです。
・・・・・・実験をですよ。・・・・
今まさに進行中の実験の一部の結果を番組は明かしています。
激増している女性の乳がん(一世代の間に、22人に1人から、7~8人に1人と3倍増)
不妊のカップル(今や出産の10%が何らかの不妊治療による)。注意欠如多動症(ADHD)などの発達障害の激増など。
1989年、ボストンのタックス大学の生物学者のアナ・ソト博士は女性ホルモンのエストロゲンが乳がんに与える影響について調べていて、サンプルの女性ホルモンを入れているプラスチックの容器が原因で研究が阻害されていることを突き止めるのに、4ケ月も要したと語っているのです。
これは、大変なことが起きているのではないかと直感したと。哺乳瓶から赤ん坊への影響を、デンマークの小児科医アナス・ユールDr(内分泌学者)も1990年初頭に気づいた。それは、女の子たちにある共通した体の不調が増えていることでした。
少女たちの思春期の開始が低年齢化している。
15年間で初潮が11歳から9.9歳に早まっているという驚くべき事実が分かった。
同時に乳房の発育も早まっていると。
デンマーク国立病院の男性病学者のニルス・ヨアンセンDrは、 精液の質は50年で5割も低下していると発表されています。
日本でも男子大学生の精子がまともなのは、10%以下だとの新聞記事を読んだことがあります。
『フィンランド』の事例を見た時に、
思わず『フニンランド』になったのかと思った覚えがあって鮮明に記憶しております。
それより現実的には日本の方が、はるかに酷かったと言う、大阪の産婦人科の先生の発表がありました。50人の男子大学生のうち、まともな精子を持っているモノは僅か10%だと言うものでした。そして、アナ・ソト博士の環境ホルモンの影響の学会での発表は、1991年でした。その会に参加した各分野の専門家の人たちから卵巣のあるオスのワニや、両性俱有の蛙、繁殖不能のアザラシ等々。
今や出産の10%が不妊治療の結果だと知って、余りの多さに驚きました。
なるほど、今や医学界の儲け話は人工透析、不妊治療、精神病治療とそしてワクチンと聞いて腑に落ちた次第です。
成人した男性の精液の少なさが、胎児の時の精巣の発達を阻止した『環境ホルモン』に原因があると知ったら誰を恨めばよいでしょう。
マイクロプラスチックと言う超微粒子の問題とは別に、生成過程で添加されている化学物質の毒性、さらに複合した化学物質の思いもよらぬ、悪の相乗効果は有吉佐和子さんの『複合汚染』が思い起こされます。
レーチェル・カーソン女史の『沈黙の春』から環境ホルモンは言われて久しい。半世紀以上昔の話です。今や環境学者から毒物学者の研究分野になっていると言うのです。
ホンの一部をご紹介させて頂きましたが、NHKのBS1スペシャルは見られる方法がありますので、是非ご覧いただき声を上げて欲しいと思います。
毎日、毎日プラスチックの恩恵に預かりながら、正直大変複雑な思いでありますが、
容器を減らす等の生活スタイルの提案をもっと加速しなければと、切に思う次第です。
ご参考に・・・。
小さく砕けたプラスチックの脅威
NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」
プラスチック汚染の脅威 大量消費社会の限界
https://www.nhk.or.jp/d-garage-mov/movie/280-13.html