今回も例のごとく、中日新聞のサンデー版(令和4年4月10日)に『学校給食の歴史』が取り上げていました。
その変遷は多様で、様々な意見もあろうかと思われます。
私事ですが、我が子に弁当を持たせるために、担任の先生に掛け合ったりした苦労話も今となっては懐かしい想い出です。
いよいよ新学期。約3万の小中学校で900万人の子供が給食を食べます。今年は学校給食が全国で始まってから70年。『給食の味』は、大人になってからの味覚や嗜好を左右するばかりか、身体をつくる大切な成長期の土台作りにも欠かせません。
藤原辰史(京都大学人文科学研究所准教授)氏は、『危機の時代にこそ』と題して寄稿しております。
一部を抜粋して紹介します。子供たちに自然農として農業を地域で体験して貰う私阿部の夢がふくらむ文章です。国民皆兵ならぬ国民皆農の芽を作って行きたいものです。それでは、以下は藤原先生のメッセージです。
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===前略===
学校給食とは、国家機能が劣化したり、災害や戦争で生活基盤が失われたりしたときに、その社会を癒やし、整え直していくプロジェクトでもあった。
1923年の関東大震災のあと、どれだけの親を亡くした子どもが炊き出しの拠点となった給食室でお腹を満たしただろうか。
1945年の敗戦後の飢餓に陥った子供たちは、占領下の給食によって(それが今ほど美味しくなかったとしても)どれだけ救われただろうか。
===中略===
そして、日本近現代史全般にわたって、家庭の貧困や職業の種類ゆえに親が弁当を作ることが難しい子供たちに、いったいどれほど学校に通わせる気持ちを支えてきただろうか。
===中略===
現在、さらなる危機が日本列島を襲っている。農業の危機にほかならない。担い手不足に悩む農村は、人口減少に歯止めがかからない。石油依存型農業は自然を破壊し続けている。給食のもつ力は、しかし、こんな危機にも威力を発揮する。
子どもが健康に育つために、地域の農家から石油由来の漁港から魚を給食調理室に納入してもらい、地域の農業を活性化して子供たちに地域の社会を知ってもらうーーー。
こうした試みがちょっとずつ増えてきている。社会変革の拠点として学校給食の役割が、減少することはない。いや、これからますます重要になっていくだろう。
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そこで私 阿部一理は、1977年アメリカの食事改善目標『アメリカ上院栄養問題特別委員会レポート』いわゆる委員長のジョージ・マクガバンの名前をとって『マクガバンレポート』が参考にしたカナダ政府の健康政策を紹介して、学校給食にも取り入れて欲しい願いを伝えたいと思います。
マクガバンレポートは、米国の上院が45年も前に、化学薬品や白砂糖や肉食を少なくすることを提唱し、ファーストフードの商品を『ジャンクフード(ごみみたいなガラクタ食品)』と呼んだのでした。そして、その元になったのが今回紹介するカナダ政府の健康政策だったのです。
主婦の友発刊『今の食事が子どもを狂わせる』(今村光一・小野寺暁子著)に詳しい。その内容は凄い!!!!
カナダでは落ち着きのない・集中力に欠ける子どもたちに手を焼いていた教育現場からの声を反映して、学校給食から食品ケミカル(化学的な食品添加物)を全面追放したのです。
なんと、
子供たちは落ち着きを取り戻し、
集中力が増し、
過運動児や学習不能児が激減したと言うのです。
過運動児と食品ケミカルの専門家のファインゴールド博士(米国、カイゼル・パーマネンテ研、アレルギー学者、代表的な著作『なぜあなたの子どもは暴れん坊で勉強嫌いか』(人文書院刊)は、過運動児の40%は、食品ケミカルが原因だ。これは、食品ケミカルを使った動物実験の結果からも推定できることだ。そして実際に博士は、食品ケミカルをシャットアウトした食事によって、こういう子の治療に目覚ましい効果を挙げています。
ナントこの話が50年も前の話です。
日本の学校給食の現場に、今だに声が届いていないのではないかと思われてなりません。
※ファインゴールド博士たちが中心となって、マクガバンレポートの5000頁にのぼる報告書となったのです。
そして、先にも書いたように、農業の手助けに子どもたちの手を借りる考えを、私は提案したいです。今年(令和4年)78歳の私も、小中学校の時代に畑仕事をクラス全員で農繁期に手伝った記憶があります。
北海道で「ジャガイモ」を拾ったときの人海戦術は威力を発揮したことを良く覚えております。
農業を小さいうちから手掛ける事は、自然を学ぶ。食べ物を学ぶ。生命を学ぶうえで、一番の近道であるように思います。
食糧不足が叫ばれる今日、国の政策として本気で取り組んでみては如何でしょう。
そして家庭においても小さな畑で良いから、是非野菜作りを各家庭で始める為にも、自然農を簡単にスタートできる「H氏」の農法をいくつかご案内したいと思います。
美味しさ、収穫の多さ、病虫害に強い、それまでに使われていた農薬が検出しなくなる。
連作障害がない。砂漠の緑化も可能であるという。土壌微生物が元気になる元気溶剤を玄米と大豆を発効させて作った優れものです。
ベトナム政府やモンゴル政府とも充分に検証済で、北海道の大雪山のふもとで成功しているので、寒さにも強い農法です。寒さに強ければ、ほぼどんな場所でも大丈夫です。
要するに、
その土地に棲む微生物が元気になるように微生物のエサを与えれば良いというのです。
別な菌を入れると菌同士が争ってしまうとも言われています。
H氏のゴミ処理が、またまた優れたアイデアであり思わずうなったものです。
良い農産物と、上手な食べ方は『食と健康』の2大柱です。
『良き子孫たちに、健康・平和・農業』を学んでもらい、
『病と争いのない世界』の実現を今こそ邁進したいと、声を大にして言いたいと思います。