人類がかかえる様々な課題が、2030年頃には限界に達するものが多いと言われます。
資源の大量消費と人口爆発による食糧と水の問題、異常気象の数々、テクノロジーの進歩によるAI(人工知能)兵器の登場などなど・・・。
NHKのBS1スペシャルの中で2021年11月14日の
『AI戦争、果てなき恐怖(前編)』の録画を頂いて青ざめた。我が人生最大の衝撃であった。
「人類は、間違いなく減亡する」と確信させられた。AIと兵器の合体は、余りにも簡単に安易に人を殺せるのです。内容と一部をご紹介させて頂きます。
戦後、原爆開発のマンハッタン計画に関わっていたこともあるアインシュタイン博士は、質問に対して
『無限なモノは2つある。1つは宇宙と、もう1つは人間の愚かさである。
宇宙は不明な点もあるが、人間の愚かさは紛れもない事実である。』と答えています。
その人間の愚かさとAI兵器の精巧さが、既に合体している現実を見せられたのでした。余りにも怖ろしくて、皆さんに是非見て欲しいとは、とても言えません。
AIが戦争のあり方を一変させる軍事革命に世界各国が次々と参入しています。
兵士が、どこに隠れてもAI兵器は見つけ出し、1000人の部隊が『ほぼ全滅』の映像はオソロシイ。
前回のブログで私阿部は、『焼夷弾か、原爆か、毒ガスのいずれかで日本を終戦に追い込もう』としていたアメリカの検討のサマを書きました。
小型水爆や毒ガスを、AIと組み合わせることを想像するだけで身の毛がよだちます。
この特集は、『AIは従来の戦争を根底から覆す』として、紛争時のルールをきちんと維持できるかが大問題、との専門家の意見を紹介していますが、民間人を攻撃してはならない、と言うルールを無視した戦争の実態を見せられてきた人類は、そんなルールが有名無実であることをイヤと言うほど知っています。時効がないと言われるこの犯罪も、破った者が裁かれたと言う話は、一向に聞こえてきません。
ですから東京大空襲や、ヒロシマ・ナガサキのことを書かせて頂いたのです。さらに、殺し方に人道的か非人道的化の違いを定めているという神経が、私には正直理解出来ません。人道的な人殺しなんて存在しません。
映像は「戦争とテクノロジー展」を見た女子大学生の物語りになっています。
3年前に亡くなられた物理学者ホーキング博士が死の直前に残された言葉
『AI兵器は、あすの“カラシニコフ(小さな大量破壊兵器と呼ばれた安価で優秀なソ連製の自動小銃)”になるだろう』博士曰く
「私がもっとも恐れているのはAIが人間を凌駕して進歩していくことです。
AIは自らデザインを変え拡散するでしょう。
AIの自律型兵器の開発は禁止されるべきです。」と。
今世界は、博士の危惧した通りに進んでおります。昨年、ロシアの国防省が開いた世界最大級の軍事見本市に国内外から1500社が参加。
中でも精密誘導兵器ドローンには、なんと『カミカゼ』と命名されていたモノで、ロシアで開発された安価で扱いやすい自信作と、開発責任者は胸を張る。
キラーロボットと呼ばれるAI兵器は、世界の主戦力になりはじめ、実際に昨年2021年9月、アルメニアとアゼルバイジャンの戦争で使われ、
アゼルバイジャンは少なくとも8種類160機を海外から調達、
アルメニア軍の戦車や大砲をピンポイントで攻撃。
戦車や軍事トラック450台以上破壊。
さらに、ざん壕に身を潜めた兵士や戦闘準備をしている兵士を次々と攻撃。野戦病院の映像が流れる。1000人の部隊がほぼ全滅した。
政府からは、戦場にスマホを持ち込まないように警告が来ていた。位置情報か分かるから、というのです。アルメニアの犠牲者は、2700人に上った。アゼルバイジャン軍の元将校は「ロシアが提供したアルメニアの兵器でも、我々の最新ドローンには敵いませんでした。私たちは最新のAI技術を駆使したことで領土を回復することが出来た。今後も、この種の兵器の能力を向を推し進めていくことになるでしょう。」と。
安全保障のバランスを不安定化させる要因になりつつある、と映像は語る。
昨年12月のアゼルバイジャンの戦勝パレード、AI兵器を提供したトルコのエルドアン大統領が招かれて演説。
トルコでは、この10年間先端技術への投資を増やし都市開発の技術にAIを使っていた民間企業が2年半前から軍事ドローンの開発に転用して売上を伸ばしている。
アフリカ、アジア、ヨーロッパの国々から問い合わせも多く軍事関連の輸出額は、この10年で3倍拡大。ポーランド、ウクライナ、カタール、リビア、モロッコにも軍事ドローンを輸出しているとの責任者の談話があります。
アメリカのCIAは「将来的にトルコの勢力圏は相当拡大する。2050年には大国と肩を並べるだろうと報道されている。」と。
AIの進化はすさまじく、
1997年にチェス、
2015年に将棋、
翌年は囲碁で人間に勝利し
今や人間の手も届かないところまで進んでいて、その後の進化は目を見張るモノがあります。
そのAIが兵器と合体し、人間の愚かさに悪用されたらこれ以上の恐怖はありません。
改めてアインシュタイン博士やホーキング博士の言葉が実現実を帯びて打ちのめされます。それでも地球と人類文明の明るい未来に思いをはせて、地道に活動して行く所存であります。
今年2022年「壬寅」は、
「陽気を孕み、春の胎動を助く」、
冬が厳しいほど春の芽吹きは生命力に溢れ、華々しく生れる年になると言われています。
2年近くのコロナ禍から、今年は多分終息に向かうでしょう。
プランデミックからエンデミックと言われていますので・・・。