『食と生命(マクロビオティック)』について考察してみます。
食の前に『生命意識』の大切さは、言うまでもありません。
『私はダメだ!!!』と言う低い意識は、なまじの情報を得てしまったタメに、どんどん低い方に意識が落ちてしまった希望のない、
いわば絶望の渕で、
細胞も、
生命も、
死を迎えてしまうのです。
半世紀以上も前に、白水社から『実験漂流記』という本が出ました。
フランスのある港町の医師ボンバールは、難破船での死者の検死をするうち不思議なことに気がついた。
水と食糧もあるのに、多くの人たちは死んでいるのです。家族を残してボンバール医師は、2m足らず小さなゴムボートで実験的に漂流に出た。それが本当に漂流してしまい、図らずも百数十日の漂流の貴重な医師本人の記録となり、その手記が出版されたのです。
恩師大森英桜先生のご推薦で読ませて頂きました。
『人は飲み水や、
食べ物が無くなって死ぬのではない、
絶望で死ぬのだ!!!』
と言う最後の言葉は戦慄が走った覚えがあります。
『食と生命』を誰よりも重視していた大森英桜先生の紹介であっただけに、40年前この言葉は重みがありました。
ということを踏まえて以下に、食の原点を書いてみたいと思います。
マクロビオティックの創始者、
桜沢如一先生の言葉
『食物なきところ 生命現象なし!!』
は、最も重要な基本法則であります。
そして『自然は当然!!!』食の自然性は、大原則です。化学物質に冒されて悲鳴を挙げている身体の状態が病気であります。
桜沢如一師の戦前の大大大ベストセラー『食べものだけで病気が治る新食養療法』(実業の日本社刊 昭和11年当時)は、600版を重ねたのです。出版業界に詳しい方々は、とても信じられない版数だと皆さま口を揃えられます。
その内容をアレンジして、私なりに『食の原点』を「八つ」にまとめてみました。
==1==
人間の歯の形状から、穀物を噛むのに適した臼歯が32本分の20本で、約60%です。穀物を主食に致しましょう。
中でも『玄米』の『粉(コ)』と『芽(メ)』。つまり澱粉質の「コ」と胚芽の「メ」で、コメと呼ばれます。
玄米1粒が翌年1000粒になり、
更に翌年100万粒になり、
7年目には10亥(1,000,000,000,000,000,000,000粒)になります。
ほぼ全人類の主食として賄える量です。それを24時間水に浸けて発芽毒を消して、適量の自然の塩を入れて炊くと、食べて美味しくて「病知らず」です。
※小麦は、控えめが無難です。
==2==
神道の「祝詞」にある
一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 「ヒ フ ミ ヨ イ ム ナ ヤ コ ト」
は創世記を表していると言われています。
一(ヒ)は、日・光・無限・絶対・神・霊 を表わし
二(フ)は、二極(陰陽)・冷たい空気と温かい空気で「風(フウ)」が起きます。
三(ミ)は、水。この身(み)の原点です。
四(ヨ)は、世。この世の土を表わし、ミネラル・土壌微生物を表わします。
五(イ)は、草・植物・飯を表わします。
六(ム)は、虫・貝類のこと。
七(ナ)は、魚。古来「魚」を「ナ」と呼びました。東京筑地の料亭「魚月(なげつ)」
は有名です。
八(ヤ)は、「矢」のように飛ぶ鳥のことです。
九(コ)は、四つ足の動物。獣類のことです。
十(ト)は、人(ヒト)であり、タテと横の十字は、相対の世界を表わし一(ヒ)の絶対に対応し、ヒ(一)からト(十)までの進化の究極が“ヒト”であります。
そして、十(ト)から近いものは、なるべく避ける。
獣肉・鳥肉・魚・虫(貝類)を遠ざけた食の在り方が人間の食の基本であります。
==3==
食品添加物・農薬・化学肥料等の化学薬剤を遠ざけます。
==4==
動物の死骸のタンパク質を分解する酵素を持つ五葷(ごくん:ねぎ・にら・にんにく・らっきょう・あさつき)は、
動物を食べない時は、避けた方が無難。(これが仏教で言うところの「精進料理」です。)
==5==
塩を摂る場合に、苦汁(にがり)の害がある人は、
海塩を十分に苦汁を抜いて使うか、岩塩を摂るように心がけるようにします。
==6==
水の質は、最大限の注意を払って選択します。
==7==
発酵食品等、腸内微生物を良い状態に保つ食生活に心がけます。
==8==
咀嚼・少食にし、大人なら16時間は食べない時間を作りましょう(オートファジー)。
最後に医聖ヒポクラテスの言葉を参考に記しておきます。
◆食べ物で治せない病気は、医者にも治せない。
◆病気は、人間が自らの力をもって自然に治すものであり、医者はこれを手助けするものである。
◆人間がありのままの自然体で自然の中で生活すれば120歳まで生きられる。
◆人間は誰でも体の中に百人の名医を持っている。
◆満腹が原因の病気は、空腹によって治る。