ジャン=ジャック・ルソー「エミール」より

『医者がほどこす治療の利点と、医者が殺す多くの病人の死とを秤にかけてみなければならないのに、それが人々には判らないのだ。』

『人間にとって、自分の食欲より優れている医者はない。人間を原始状態において考えれば、その時点で自分が美味しいと思った食べ物が、一番健康に良いものであることに間違えはない。』

『農業は人間の一番基本的な職業である。人間がいとなみうる職業のなかで一番りっぱな一番有用な一番高貴な職業である。』

これが、フランスの哲学者ジャン・ジャック・ルソー(1712年~1778年)の「エミール」(岩波文庫)の上巻より、一部抜粋した言葉です。

270年位前から「西洋医学」に対して批判的な意見を持っております。

ルソーと言えば、近代哲学のなかでもホッブズやヘーゲルと並ぶ超重要人物であります。。

とくに『社会契約論』(1762年)は、哲学に大きな影響を与えただけでなく、フランス革命にも影響を与えたことからすると、近代社会の進み行き全般に影響を与えた人物といっていいだろう。

その哲学者が「マクロビオティック」に近い意見を持っている事「エミール」で少しご紹介したいと思います。

桜沢如一氏もこの「エミール」の影響を受けているようです。

※子供をめぐる教育論について「学校教育」ではなく「家庭教育」としての内容です。

万物をつくる者の手を離れるとき、すべてはよいものである。

が人間の手に移るとすべてが悪くなる。

母親がすすんで子供を自分で育てる事になれば、やがて一般的な改革がもたらされて、自然はやがてそのすべての権利を回復する。

ひとたび女性が母にかえれば、やがて男性はふただび父となり、夫となる。

自然を観察するがよい。そして自然が示してくれる道を行くがいい。

自然はたえず子供に試練をあたえる。あらゆる試練によって子供の体質を鍛える。

虚弱な肉体は魂を弱める。

そこで医学が権威をもつことになる。医学はそれが治療すると称するすべての病気よりも人間にとって一層有害な技術だ。

わたしは医者がどんなに病気を治してくれるのかは知らない。

しかし医者が非情に有害な病気をもたらす事を知っている。

動物は病気の時なにもいわず我慢して静かにしている。

ところが人間ほど病弱な動物はいない。

病気が殺しもせず、時の力をかりるだけで治ったはずの人間を、忍耐の乏しさ、心配・不安、そしてなによりも薬が、どれほど殺してしまったことだろう。

植物性の食べ物を摂っている民族はすべて非常に健康である。

子供を不幸にする一番確実は方法はなにか、それをあなたは知っているだろうか?それは、いつでもなんでも手に入るようにしていることだ。

一般に、急いで獲得しようとしないものは極めて確実に、そして速やかに獲得される。

肉に対する好みが人間に自然なものでない事の証拠の一つは、子供が肉の料理に対して関心を持たない事。かれらがすべて植物性の食べ物、乳製品、菓子、果物のようなものを好むと言う事。

こういう本来の好みを損なわない事。

子供を肉食動物にしないことがなにより大切だ。

一般に肉をたくさん食べる人が、そうでない人より残酷で凶暴である事は確かな事です。

あらゆる場所とあらゆる時代に観察されたことである。

またまだ書き足らないです。

また、日本にキリスト教を最初に伝えた聖フランシスコ・ザビエル(1506年から1552年)も『聖フランシスコ・デ・ザビエル書翰抄』(下巻)岩波文庫には16世紀の日本の生活ぶりが記載されています。

日本人は自分等が飼う家畜をトサツすることもせず、また食べもしない。

彼らは時々魚を食膳に供し、米や麦を食べるがそれも少量である。

ただし彼らが食べる草(野菜)は豊富にあり、また僅かではあるがいろいろな果物がある。

それでいて、この土地のひとびとは不思議な程達者な身体をもっており、稀な高齢に達する人もいる。

先人たちは、素晴らしい日本の伝統的な生活法「病まない生活の知恵」と言う生活を送っていました。

現代に生きる我々は、今一度先人たちの知恵を掘り起こし、現代社会でも取り入れることのできる知恵を、継承していくことが未来(子供 そして孫たち)への財産と思います。

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